攻撃を防ぎながら、少しの隙を探す。
隊長首席というだけあって、目の前にいる男はなかなか強い。
「吹き飛べ!!」
仲間のときには見せたこともない剣撃の数々。
少なくとも俺が知るあんたは、弓を使って、ふざけた戦い方しかしなかった。
「いつも、これぐらいやってくれ・・・よ!!」
反撃しながら嫌味をいっても、返ってきたのは、とぼけた返事
ただひとつ。
そうまでして、無かったことにしたいのか。
俺達と共にいた レイヴンという存在を。
突然感じた激しい感情。
無意識に手に力が入る。
そんな時、ふとシュヴァーンの顔に浮かんだのは小さな微笑み。
静かに彼の剣が下げられる。
突然のことに勢いを殺せず、俺の剣が彼の左胸を切り裂いた
・・・刹那
気付いてしまった。
――あぁ、
あんたは
最初から
死ぬつもりだったのだ
(殺すのは)
(俺?)
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あとがき
最後の文章は、切る瞬間のユーリの思いということで。
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