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TOVのレイユリ中心  よろず同人ブログサイト  ネタばれ、女体化有り
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2024/11/24 (Sun)
”冷やかな月明かり”の続き。
レイ♀ユリ。



あの湖での出来事以来、もはや何度目かも判らない夜。
数日の間隔を空けて求めてくる彼の相手をするのも、もう慣れた。
ダルい体をそのままに、ベッドの端に腰掛け服を着るレイヴンの背をジッと見つめる。
こうやって彼に抱かれる度に思い出すものがある。
それは、あの夜消してしまったはずの想いであったり、また、全ての始まりとも言える“あの日”のことだったりするのだけれど。


「ユーリ。」

「何?」


いつの間にか隣のベッドへ移動したらしいレイヴンに呼ばれ、何でもない風に応えてやる。


「ずっと気になってたんだけど。ユーリって、湖でシたのが初めて?」


珍しく神妙な面もちで何を言うかと思えば。
それにしても今更過ぎる質問だと思う。
まぁ、そんなことに一々答えてやる俺も俺だな。


「…だったら何だよ。」

「んー、好きな人でもいたのかなぁ~…って。」

「…。」


どうして今頃になってそんなことを聞くのだろう。
それも、脅しでこの関係を強要したあんたが。


「どうだっていいだろ。第一、俺たちはそんなことを気にするような関係じゃないはずだ。」

「えー。だって気になる。初めてを大切にとっとく程、ユーリが想い続けた相手なんでしょ?」

「…っ。」

「図星?」


動揺を隠そうと、寝返りをうちシーツを深く被り直した。
言えるわけないだろう、そんなこと。
しかも、よりによってレイヴンになんて。

それに、


「もう、いいんだ。捨てたんだから。」


好きになったこと自体が間違いだったのだ。
自分に言い聞かせるようにポソリと呟いた言葉は、レイヴンには聞こえていない。
それ幸いと、誤魔化すために再び口を開いた。


「ずっと男のフリをしてたから、そういう行為に無縁だっただけだよ。」


だからこれ以上聞くな、と言外に含ませながら、本格的に寝る体勢をとる。
それに気づいたのかは知らないが、『まぁ良いけど』とだけ残し彼も静かになった。


レイヴンが好きな人などと言うせいで、また“あの日”の記憶が蘇る。
十年以上も前の、初めて彼と出会った日の記憶が。
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2009/04/24 (Fri) ss Comment(0)
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