「ユーリ?」
食事中、どこか上の空なユーリは、食事が終わるとともに、下を向き黙り込んでしまった。
心配に思ったレイヴンが声をかけたことで、やっとユーリの視線がレイヴンへと向けられる。
「どっか調子でも悪いの?」
「・・・え?」
「だって、上の空な感じだし、ご飯だってちょっとしか食べてないっしょ?」
体調が悪いのに、無理でもしているんじゃないのかと、少し責めるような視線のレイヴン。
ユーリは慌てて、何でもないと言いながら立ち上がり、
「それより、さっさと片付けしちまわないと。」
と、重ねた皿を持ち台所に避難した。
残されたレイヴンは、台所を見つめて小さくぼやく。
「んー・・。やっぱり何か隠してるな。風邪とかじゃないみたいだし、ま、後でわかるか。」
それよりも、今は――
よっこいしょという掛け声と共に勢い良く椅子から立ち上がり、レイヴンもユーリの後を追い、台所へ入っていった。
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