戦い続きの日々に出来た一寸した休息の時。
たまには休みも必要だと少し早めに戦いを切り上げ町に入る。そして、久しぶりのベッドだとはしゃぐ仲間たちを宿に残し、俺は一人、町の中にある池の端へと腰をおろした。
月日が過ぎゆくのを表すかのように、初めて訪れた時に比べかなり様変わりしたオルニオンの町並み。
魔導器を捨てた世界が、このオルニオンのように強く進んでくれればいい、なんて思い眺めていると突如影に覆われる。
その原因を見上げた刹那、唇に触れた柔らかい感触。
人に見られたらどうするんだと怒鳴ることも忘れ、男の目に見えたあからさまな情欲に囚われる。
まだ夕方にもなっていないと頭の隅で考えながらも、大した抵抗もせず連れて来られたのは人気の無い木陰。
開始の合図であるキスを受けながら、これは白昼夢なのだと結論づけ、俺は与えられる快楽に身を任せた。
(あんたとの時間はいつも夢のように曖昧)
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