レイヴンは何も言わず、ただ力強くユーリを抱き締めていた。
時間も経ち、だんだんとユーリも落ち着いてきたらしく、レイヴンの腕の中で時折、もぞりと動いている。
「もう大丈夫か?」
「ん、大丈夫。・・驚かせてごめん。」
すまなそうに謝るユーリに、レイヴンは少しだけ身体を離し、ユーリの顔を覗き込む。
「ユーリさ、俺に隠してることあるでしょ?ゆっくりで良いから、今、言っちゃいなさい。」
「でも・・っ」
「ユーリ。」
ユーリの瞳が泣きそうに歪むが、レイヴンは有無を言わさないという雰囲気をまとっている。
「―――・・ごめん、なさい。」
言葉と共にユーリの目から一筋の涙がこぼれ落ちた。
「赤ちゃ・・出来た・・・。」
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