窓から朝日が射し込む。
「ん…」
ベットに出来た塊の一部がもぞもぞと動き出した。
「お?そろそろ起きるのかねぇ。」
その塊を、もといユーリの寝顔を見ていたレイヴン。
腕の中で動き出したユーリに気づいたらしい。
「おはよう。目ぇ覚めた?」
「ぅ…おは、よ。」
寝ぼけ眼ながらも、律儀に返事を返すユーリは何とも可愛い。
「今、何時…?」
「んー、8時ってとこかな。」
「えっ!?…急がなきゃっ、レイヴン遅刻!!」
ユーリはガバッと起き上がった。
普段なら、8時には既に朝食も済まして、レイヴンを見送ってるくらいの時間。今から急いでも、確実に遅刻してしまう。
なのに、等の本人は呑気にも、ユーリを再び布団の中に引きずりこんだ。
「あれ、言ってなかったっけ?今日は俺様、仕事お休みだわよ。」
「…聞いてないんだけど。ってか、そういう事はちゃんと先に言っとけ!」
無駄に慌てた、などと文句をたれるユーリを気にすることもなく、レイヴンはユーリを抱き込む。
「それより、もう少し寝ない?昨日の夜は、かなりムリさせちゃったから、ユーリもまだ眠いだろうし。俺様としても、たまにはユーリとゆっくり過ごしたいわけよ。ちゅーわけで、おやすみ~。」
一方的に決定すると、きっちりとユーリを抱き締め、即、寝息が聞こえ出す。
「…動けないし。」
まぁ、たまには良いか、などと思いながら、ユーリも再びレイヴンの胸に額をあて、眠りについた。
(貴方が傍にいる幸せを感じて)
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